自己信託の仕組み

自己信託は、委託者本人が受託者となる信託のことです。信託法が改正されて実現されるようになった信託です。1年以上委託者と受託者が同一な状態が継続すると、自己信託は修了します。そのため、1年以内に受益者を交代するか、新たな受益者を設定する必要があります。そのような制限があるのに存在するのは、もちろんこれを使う場面が存在するからです。例えば、財産管理を任せる受託者がすぐに見つからないけれど、自分で判断できるうちに家族信託を利用したい場合や、障害のある子どものために財産を隔離して自己破産の危険を防止しつつ、何かあったときのために準備しておきたいといった時に活用されます。自己信託を行うためには、自己信託公正証書を公証役場で作成する必要があります。こうした様式が求められる理由は、自分一人で宣言することで財産を信託化することができるため、手続きを厳格化する必要があるからです。便利な制度なので、活用できるかどうか検討してみましょう。